エポキシ樹脂コーティングとは?
エポキシ樹脂コーティングは、高い耐久性と耐化学性を持つ保護塗料で、主に金属やコンクリート表面の保護や美観向上に利用されます。その優れた性能から、建築、工業、船舶、食品工場など、幅広い用途で活用されています。
エポキシ樹脂の主な特長
- 優れた耐久性 エポキシコーティングは、衝撃、摩耗、引っかき傷に対して強い耐性があります。
- 高い耐化学性 酸やアルカリ、溶剤に対する耐性があり、過酷な環境下でも性能を維持します。
- 密着性の良さ 金属やコンクリート表面への優れた密着性能を有し、長期間にわたり剥離しにくい特性があります。
- 幅広い応用性 工業施設の床、タンクの内部コーティング、パイプラインの防食、海洋構造物など、多岐にわたる用途で利用可能です。
エポキシ樹脂の特性
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特性
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効果
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耐水性
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40℃X500時間で異常ありません。(JIS K5400) |
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耐塩水噴霧試験
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5%食塩水 35℃x500時間で異常ありません。 |
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密着性
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基盤目テープ法試験。(JIS K5400)100/100 |
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耐酸性
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5%硫酸 20℃x240時間で異常ありません。 |
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耐アルカリ性
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5%苛性ソーダ 20℃x240時間で異常ありません。 |
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膜厚
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100~800μm |
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色調
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オレンジ |
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適用基材
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金属 |
エポキシ塗装にはその他にも以下9つの特徴があります。
- 耐食性
- 耐溶剤性
- 耐光性
- 高い絶縁性
- 低い誘電損失
- 耐熱性
- 耐湿性
- 優れた機械的強度
- トータルコスト
それぞれの特徴について詳しく説明します。
耐食性
耐食性とは、簡単に言えば「錆びにくい特性」のことです。エポキシ塗装は、水分だけでなく酸素も通さない性質を持つため、腐食や錆を防ぐのに非常に優れています。身近なところであれば、この性質を活かし、海水にさらされる船や釣り竿などに使用されます。
耐溶剤性
耐溶剤性とは、物質が溶剤に浸っている状態でも、変形・変化がしにくい性質のことをいいます。つまり、エポキシ塗装は物を溶かす薬剤(硫酸や塩酸など)に強いということです。その性質を利用して、濃硫酸など溶かす力の強い薬品を入れるタンクの内側の塗装として用いられます。
耐光性
耐光性とは、紫外線耐性のことで、唯一のエポキシ塗装の短所ともいえる点です。塗装面に紫外線が当たると短期間で劣化してしまうので、太陽光などが照射される場所に利用する場合は紫外線を防止する塗装をトップコートとして併用する等で防止しなければなりません。
高い絶縁性
エポキシ樹脂は、電気を通しにくい性質を持っており、高い絶縁耐力(絶縁破壊電圧)を発揮します。そのため、高電圧環境でも安全性が求められる用途に適しています。
低い誘電損失
エポキシ樹脂は低い誘電率と損失を示し、エネルギーのロスを抑えることができます。これにより、高周波回路や電子デバイスでの信号劣化を防ぐのに役立ちます。
耐熱性
電気機器内部の発熱に耐える耐熱性があり、温度変化に伴う性能劣化が少ないのも特徴です。
耐湿性
湿気を吸収しにくい特性があり、湿度の高い環境下でも電気絶縁性を維持します。これにより、屋外設置機器や高湿度環境での使用に適しています。
優れた機械的強度
電気絶縁材料としてだけでなく、機械的強度も兼ね備えているため、構造部材としても役立つことがあります。
トータルコスト
エポキシ塗装は、他の塗料(樹脂)を使用する塗装方法よりも高価になりがちです。その理由は、耐食性・耐溶剤性など他の塗料(樹脂)よりもかなり優れた性質を持っているためです。一方エポキシ塗装は単価は高いものの、費用対効果は高いため、維持費や管理費がかかりづらく、トータルコストを下げることが可能です。そのため、エポキシ塗装の需要は高いです。
具体的な用途例
- 変圧器・電源装置の絶縁: 高電圧が扱われる装置の内部で使用され、電気的短絡を防ぎます。
- 電子部品の封止材: 半導体やPCB(プリント基板)の保護として使用され、長寿命化を図ります。
- 電線・ケーブルの被覆: 電流が漏れるのを防ぐための絶縁被覆材として活用されています。
ハンドル、バスバー、ステー、カバー関係、ショーケース、バルブ、ポンプ部品、装飾など
エポキシコーティングに関するQ&A

エポキシコーティングとはどのような処理ですか?

エポキシ樹脂を基材表面に塗布・硬化させることで、高い密着性・耐薬品性・防錆性・電気絶縁性を付与する表面処理です。電気・電子部品、バスバー、工業部品、床材、タンク内面など、長期耐久性が求められる用途で広く使用されています。

エポキシコーティングの特長を教えてください。

高い密着性、優れた耐薬品性、強い防錆性に加え、電気絶縁性に非常に優れていることが大きな特長です。硬化後は強靭な皮膜となり、機械的強度と長期耐久性が求められる環境に適しています。

電気絶縁性はどのくらい優れていますか?

エポキシ樹脂は絶縁抵抗が高く、電気絶縁性に非常に優れています。特にバスバー(銅バー・アルミバー)の絶縁コーティングとして多く採用されており、短絡防止、リーク電流の抑制、耐湿性向上に効果を発揮します。高電流を扱う配電盤や電源装置でも、安定した絶縁性能を維持できます。

どのような電気・電子用途に向いていますか?

バスバーの絶縁、プリント基板の保護、コイルやトランスの絶縁、端子部の防湿・防錆、センサー部の封止などに適しています。湿気・薬品・粉塵がある環境でも、エポキシコーティングにより絶縁性能と耐久性を両立できます。

膜厚はどのくらいになりますか?

一般的には50〜300μm程度が標準です。バスバーの絶縁用途では、必要な耐電圧や使用環境に応じて膜厚を調整します。重防食用途や高絶縁用途では、さらに厚膜仕様とすることも可能です。

どんな素材にコーティングできますか?

金属(銅・アルミ・鉄・ステンレス)、コンクリート、木材、樹脂など幅広い基材に対応します。特にバスバー(銅・アルミ)への密着性が高く、絶縁・防錆を兼ねたコーティングとして多く採用されています。

耐熱温度はどのくらいですか?

一般的なエポキシ樹脂は80〜120℃程度が目安です。耐熱仕様のエポキシを使用することで150℃以上に対応できる場合もあります。バスバーや電気部品の絶縁用途では、温度条件とあわせて仕様を検討します。

耐薬品性はありますか?

酸・アルカリ・油類・水分に対して高い耐性を持ちます。薬品タンク、配管、床材、電気機器周辺など、薬品や油が飛散する環境でも、基材と電気部品を同時に保護できます。

密着性は問題ありませんか?

エポキシ樹脂は密着性に非常に優れており、金属やコンクリートに強固に付着します。バスバーのような銅・アルミにも適しており、剥離しにくい高密着の絶縁・防錆皮膜を形成できます。

防錆効果はありますか?

非常に高い防錆性を持ち、金属表面を水分・酸素・薬品から遮断します。バスバー、配電盤、電源装置の端子部など、電気設備の防錆・絶縁用途にも最適です。

食品衛生法には対応していますか?
