半導体・電子部品製造で選ばれる高機能コーティング技術
半導体やセンサーなどの電子デバイス製造装置では、高純度・耐熱性・化学安定性が極めて厳しく求められます。特にフッ素樹脂は、メタル溶出が少なく、非粘着性・耐薬品性・絶縁性に優れることから、製造工程の信頼性向上に不可欠な技術です。
微細化・自動化に対応する表面処理の役割
高純度環境の維持
薬液供給タンクやウェハー搬送装置への導電性フッ素樹脂コーティングにより、異物・パーティクルの発生を抑制し、歩留まり向上に貢献します。
腐食対策・長寿命化
過酷な薬液やプラズマ環境にさらされるロボット部品やCFRP材質に特殊コーティングを施し、防食性と耐久性を確保します。
寸法精度の向上
フッ素樹脂コーティング後に高精度な機械加工を施すことで、コーティングの機能性と同時に、部品の厳密な寸法精度を実現します。
用途別コーティング選定ガイド
| 用途 | 推奨コーティング | 特性 |
|---|---|---|
| めっき冶具・はんだ治具・製造ライン | フッ素樹脂コーティング | 非粘着性・耐薬品性・滑り性 |
| 搬送冶具・ラベラー・包装機刃物 | フッ素樹脂含有無電解ニッケルめっき | 耐摩耗性・導電性 |
| 精密金型 | フッ素樹脂含有無電解ニッケルめっき | 高精度・耐薬品性 |
| 混合タンク・ホッパー | ウレタンコーティング | 耐摩耗性・柔軟性 |
| 薬液供給タンク・ウェハーハンド | 導電性フッ素樹脂コーティング | 帯電防止・耐薬品性 |
| 高温設備部材(ロール・ヒーターカバー) | セラミックコーティング | 耐熱性・耐摩耗性 |
| クリーンルーム内壁・治工具 | 常温加工型フッ素コーティング | 施工性・耐薬品性 |
導入事例(抜粋):歩留まりと信頼性の向上
CMP洗浄装置部品の薬液残留防止
【課題】薬液の残留によるパーティクル発生リスク
CMP(化学機械研磨)工程後の洗浄装置部品に、撥水・撥油性を持つ薄膜フッ素コート「NFX-5432」を適用。部品表面の薬液残留を効果的に防止し、洗浄後の乾燥時間短縮と、次工程への異物持ち込みリスクを低減しました。
無発塵・高純度な薬液供給を実現
【課題】高純度な薬液の汚染防止
薬液供給装置に使用されるフッ素樹脂製の継手に対し、無発塵かつ耐薬品性に優れた表面処理を施し、クリーンルーム内でクリーンパックして納入。初期汚染リスクを徹底的に排除し、デバイスの歩留まり向上に貢献しています。
高温環境下ヒーターカバーの耐久性向上
【課題】高温による塗膜劣化と部品交換頻度
高温プロセスで使用されるヒーターカバーに対し、特殊な下地処理と高耐久性のセラミック塗膜を適用。従来塗膜に比べ耐熱性が向上し、部品の長寿命化を実現することで、設備メンテナンスの工数削減に成功しました。
半導体・電子分野向け機能性コーティングに関するQ&A

半導体・電子分野ではどんなコーティングが使われていますか?

半導体・電子分野では、耐薬品性・帯電防止・低アウトガス・耐熱性・絶縁性など、極めて高い機能が求められます。主に以下のコーティングが使用されています。
・フッ素樹脂コーティング(耐薬品・非粘着)
・帯電防止フッ素コーティング(静電気対策)
・PFA/PTFE厚膜コーティング(耐薬品・耐熱)
・セラミックコーティング(耐摩耗・耐熱)
・シリコーンコーティング(耐熱・離型・絶縁)
・PPSコーティング(耐熱・耐薬品)
装置の安定稼働や歩留まり向上のために欠かせない技術です。

どんな装置・部品にコーティングが使われていますか?

半導体製造装置・電子部品のさまざまな箇所で採用されています。
■ 半導体製造装置
・エッチング装置の部品(耐薬品・耐プラズマ)
・洗浄装置の治具(付着防止)
・搬送ロボットのハンド・ガイド(低摩擦・帯電防止)
・ウェハー搬送トレイ(非粘着・帯電防止)
■ 電子部品製造ライン
・樹脂成形金型(離型性)
・基板搬送治具(絶縁・滑り性)
・静電気対策治具(帯電防止)
■ クリーンルーム設備
・ローラー、ガイド(微粒子付着防止)
・薬液タンク・配管(耐薬品)
“微粒子・薬品・静電気”が問題になる場所で特に効果を発揮します。

帯電防止コーティングはなぜ必要なのですか?

半導体・電子分野では静電気が大きなトラブルの原因になります。
・ウェハーや基板への微粒子付着
・電子部品の破壊(ESD)
・粉体・薬品の付着
・搬送不良
帯電防止フッ素樹脂コーティングは、表面抵抗値を10⁶〜10⁹Ωに調整し、静電気の蓄積を抑制します。
“静電気 × 粉体 × 微粒子”の課題を同時に解決できるのが強みです。

耐薬品性が必要な理由は?

半導体工程では、強酸・強アルカリ・溶剤など非常に強い薬品が使用されます。
・エッチング液
・洗浄液
・現像液
・剥離液
フッ素樹脂(PTFE/PFA)はこれらに対して非常に高い耐性を持ち、金属部品の腐食を防ぎ、装置寿命を大幅に延ばします。

低アウトガス性はなぜ重要なのですか?

半導体製造では、わずかなガス放出(アウトガス)が歩留まり低下につながります。
・薄膜形成の不良
・微粒子発生
・汚染による欠陥
フッ素樹脂・PPS・セラミックなどは低アウトガス性に優れ、クリーン環境での使用に適しています。

膜厚はどのくらいになりますか?

一般的には20〜40μm程度の薄膜が多いですが、耐薬品性を重視する場合は100〜300μmの厚膜PFAコーティングも採用されます。
用途に応じて最適な膜厚をご提案します。

どんな素材にコーティングできますか?

鉄、ステンレス、アルミなどの金属に加え、樹脂部品にも施工可能です。
特に半導体装置ではアルミ部品へのフッ素樹脂コーティングが多く採用されています。

どのコーティングを選べばいいか迷った場合は?

使用環境(薬品・温度・静電気・摩耗・クリーン度)によって最適なコーティングは異なります。
例えば…
・耐薬品+非粘着 → PTFE/PFA
・静電気対策 → 帯電防止フッ素
・耐熱+耐摩耗 → セラミック
・絶縁+耐熱 → シリコーン
・耐薬品+耐熱 → PPS
用途をお知らせいただければ、最適な仕様をご提案できます。