耐熱性コーティングは、高温環境下での部品保護・性能維持に不可欠な技術です。
用途に応じて最適な塗膜を選定することで、耐久性・安全性・メンテナンス性が大幅に向上します。
耐熱性コーティングとは?
耐熱性とは、物質が高温にさらされた際に酸化・変形・劣化を起こさず、性能を維持できる性質を指します。 工場設備や機械部品は、使用環境によって数百℃以上の熱にさらされることもあり、耐熱性コーティングによる保護が不可欠です。
さらに、耐熱性だけでなく、耐摩耗性・離型性・耐薬品性・絶縁性などの複合機能が求められるケースも多く、塗膜選定には専門的な知見が必要です。
主な耐熱性コーティングと特性
| コーティング種別 | 耐熱温度 | 特性 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| フッ素樹脂(PTFE・PFA・ETFE) | ~260℃ | 非粘着性・耐薬品性・滑り性 | 焼成炉部品、食品製造ライン |
| 変性フッ素樹脂 | ~300℃ | 耐熱性強化・耐摩耗性 | 自動車部品、搬送部品 |
| セラミックコーティング | ~1300℃ | 高硬度・耐酸化性 | タービン、マフラー、炉内部品 |
| PEEKコーティング | ~250℃ | 耐摩耗性・耐薬品性・絶縁性 | 電子部品、航空機部品 |
| シリコーンコーティング | ~200℃ | 柔軟性・耐熱性・離型性 | 照明器具、ストーブ部品 |
| DLC(ダイヤモンドライクカーボン) | ~500℃ | 超硬度・低摩擦・耐摩耗性 | 精密機械部品、モーター軸受 |
| 溶射加工(金属・セラミック) | ~1500℃ | 耐熱・耐腐食・遮熱性 | ボイラー、ロケット部品 |
| めっき加工(Ni・Cr系) | ~600℃ | 耐酸化性・耐摩耗性 | エンジン部品、工具表面 |
※ 表は左右にスライドして全体を確認できます。
導入事例(参考)
- ガスタービン部品にセラミック溶射加工を施工:高温腐食と酸化を防止し、寿命を2倍以上に延長
- 自動車のエンジン部品に変性フッ素樹脂コーティングを採用:高温下でも滑り性と耐摩耗性を維持し、燃費向上に貢献
- 照明器具の灯具にシリコーンコーティングを施工:熱変形を防ぎ、外観品質を長期維持
- アルミ溶解用タライに耐熱溶射処理:鉄分混入を防ぎ、製品純度を向上
使用環境に応じた提案が重要です
耐熱性コーティングは、温度帯・素材・使用目的によって最適な塗膜が異なります。「高温+摩耗」「高温+薬品」「高温+滑り性」など、複合条件に対応するためには、専門的な選定が必要です。
→ 使用環境・目的をご相談いただければ、最適な塗膜をご提案いたします。
耐熱性コーティングに関するQ&A

耐熱性コーティングとはどのような処理ですか?

高温環境(200〜1000℃以上)で使用される部品を保護するためのコーティングです。耐熱性だけでなく、耐酸化性・耐摩耗性・熱衝撃性・耐食性などを向上させ、部品寿命を大幅に延ばします。

どんな種類の耐熱性コーティングがありますか?

主に以下の種類があります。
・シリコーン系耐熱コーティング(200〜600℃)
・セラミックコーティング(600〜1000℃以上)
・PPSコーティング(耐熱+耐薬品:200〜260℃)
・フッ素樹脂コーティング(耐熱+非粘着:200〜260℃)
・耐熱粉体塗装(シリコーン系粉体)
・溶射(セラミック・金属系:1000℃級)
用途に応じて最適な耐熱仕様を選定します。

どんな部品に耐熱コーティングが使われていますか?

高温・酸化・摩耗が発生する部品で広く採用されています。
■ 自動車・輸送機器
・エキマニ・タービンハウジング
・ブレーキ部品
・エンジン周辺ブラケット
■ 産業機械・設備
・炉内部品
・乾燥機・加熱装置
・搬送ローラー
■ 食品・医療・化学設備
・加熱プレート
・滅菌装置部品
・薬品加熱ライン
■ 半導体・電子分野
・高温治具
・熱処理装置部品
“高温 × 酸化 × 摩耗”の課題を同時に解決できます。

耐熱温度はどのくらいですか?

種類によって異なります。
・シリコーン系:200〜600℃
・フッ素樹脂:200〜260℃
・PPS:200〜260℃
・セラミックコーティング:600〜1000℃以上
・溶射(セラミック):1000℃級
高温域ではセラミック系が最も安定します。

耐熱コーティングは酸化防止にも効果がありますか?

はい、非常に効果があります。
高温環境では金属が酸化しやすく、強度低下や腐食の原因になります。
・セラミックコーティング → 酸化防止に最適
・シリコーン系 → 中温域の酸化防止
・溶射 → 高温酸化・腐食に強い
酸化による劣化を大幅に抑制できます。

耐熱コーティングは摩耗対策にも使えますか?

はい、耐熱+耐摩耗の両方を求める場合は以下が有効です。
・セラミックコーティング(高硬度)
・PPSコーティング(耐摩耗+耐熱)
・溶射(WC・CrCなど)
高温下での摩耗対策に最適です。

どんな素材に耐熱コーティングできますか?

鉄、ステンレス、アルミ、鋳鉄など、ほとんどの金属に施工できます。
樹脂は耐熱温度の関係で不可の場合が多いですが、PPSやフッ素樹脂など一部は対応可能です。

どの耐熱コーティングを選べばいいか迷った場合は?

使用温度・環境に応じて最適な仕様を選びます。
・200〜260℃ → フッ素樹脂/PPS
・200〜600℃ → シリコーン系
・600〜1000℃ → セラミックコーティング
・1000℃以上 → セラミック溶射
・摩耗+高温 → WC/CrC溶射
用途をお知らせいただければ、最適な仕様をご提案できます。