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FEPコーティングの基本工程フロー

FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂)コーティングは、PTFEと同等の非粘着性・耐薬品性を持ちながら、焼成時に樹脂が溶けて流れる(溶融流動性)性質があるため、より緻密で平滑な塗膜を形成できるのが特徴です。

特に防食性や離型性を重視する用途に適しており、プライマー・中塗り・トップコートの3層コーティングにより、50μm前後のしっかりとした膜厚を確保します。

高品質・厚膜を実現する加工工程

FEPの特性を活かし、耐久性の高い被膜を形成するための標準的なプロセスを解説します。

  1. STEP 01 脱脂処理(空焼き・溶剤洗浄)
    基材表面の油分を完全に除去します。焼成温度(380℃)以上の高温で熱分解させる「空焼き」や、熱に弱い素材には「溶剤洗浄」を実施。フッ素樹脂の天敵である油分を徹底排除し、密着力を高めます。
    重要ポイント:3層構造の強固な密着を支える必須工程
  2. STEP 02 表面粗化(サンドブラスト)
    物理的な凹凸を形成し、投錨効果(アンカー効果)を作り出します。FEPは溶融時に基材へ馴染みやすいため、この下地作りが長期的な剥離防止に直結します。
    重要ポイント:塗膜の食いつきを最大化する下地作り
  3. STEP 03 プライマー(下塗り)塗布・乾燥
    基材との密着を確保するための専用プライマーを塗布し、低温乾燥させます。3層塗りの第1層として、耐食性の基礎を築きます。
    重要ポイント:基材とフッ素樹脂を繋ぐ接着層の形成
  4. STEP 04 中塗り(ミッドコート)塗布・乾燥
    膜厚を稼ぎ、遮断性を高めるための中塗りを実施します。この2層目の工程により、PTFEよりも厚く、かつ緻密な被膜の土台が完成します。
    重要ポイント:50μm前後の膜厚と耐久性を実現する中間層
  5. STEP 05 トップコート塗布
    最終的な表面特性を決定するトップコートを塗布します。通常のスプレー塗装のほか、粉体塗料を用いた静電塗装を行うことで、より均一で大幅な厚膜化も可能となります。
    重要ポイント:静電塗装による厚膜化と高度な非粘着性の付与
  6. STEP 06 焼成(高温焼成)
    加熱炉で約380℃の高温にて焼き上げます。FEP樹脂が溶融・流動することで、各層が完全に一体化し、平滑で光沢のある連続膜が形成されます。
    重要ポイント:溶融流動による緻密な被膜の完成(設定温度:380℃)
  7. STEP 07 検査・仕上げ
    目標膜厚(50μm前後)の測定、外観の平滑性、密着試験を行います。FEP特有の透明感や光沢、均一性を確認し、品質を保証します。
    重要ポイント:厚膜・平滑性を両立した製品の最終チェック

FEPコーティング独自の特性

PTFEと比較した際、FEPが選ばれる理由となるメリットです。

優れた離型性:粘着物がさらに剥がれやすい
高い防食性:樹脂が溶け合うため隙間が少ない
表面の平滑性:滑らかで光沢のある仕上がり
耐候性・透明性:屋外や視認性が必要な部位に
厚膜対応:静電塗装等で50μm以上の施工が可能

主な用途例

  • 複写機・プリンター: トナー付着防止用の定着ロール・ベルト
  • 医療器具: 血液や薬品の付着防止、バイアル瓶の保護
  • 半導体・化学: 耐薬品性が求められる配管内部、薬液タンク
  • 金型・治具: 複雑な形状への回り込みが必要な離型用途

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