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高耐久・耐摩耗:ナイロン流動浸漬塗装(ナイロン11・12)

ナイロン流動浸漬法は、植物(ヒマシ油)由来の環境配慮型樹脂であるナイロン11や、優れた吸水率の低さを誇るナイロン12を使用し、強靭な被膜を形成する技術です。

ポリエチレンよりも硬度が高く、耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性に優れており、工業用途や機能性が重視される部品に最適な「エンジニアリング・プラスチック・コーティング」です。

環境・技術標準(ナイロン流動浸漬グレード)

環境性能 VOC排出ゼロ・無溶剤・バイオマス由来(ナイロン11)
塗装方法 流動浸漬法: 厚膜(200〜800µm)向け
静電塗装法: 薄膜(50〜120µm)向け
対応膜厚範囲 50 〜 800 µm(用途に合わせて薄膜から厚膜まで選択可能)
予熱温度 280 〜 380 ℃(ナイロンの種類・基材厚みにより調整)
被膜特性 極めて高い耐摩耗性、自己潤滑性、耐油・耐薬品性

ニーズに応じた2つの塗装アプローチ

① 流動浸漬法(厚膜対応)

200〜800µm程度の厚膜を形成。クッション性や過酷な環境での耐食・耐摩耗性が求められる医療用バスケットや工業用バルブに最適です。

② 静電塗装法(薄膜対応)

50〜120µm程度の薄膜を均一に形成。寸法精度が求められる部品や、複雑な形状の金属製品に、ナイロンの滑り性と硬度を付与します。

ナイロン流動浸漬法の加工工程フロー

ナイロン特有の高い融点と密着性を活かすため、厳密な温度管理と前処理が重要です。

  1. STEP 01 下地処理(サンドブラスト & プライマー)
    ナイロンはポリエチレン以上に下地との相性が重要です。ブラスト処理後、ナイロン専用のプライマーを塗布することで、過酷な環境下でも剥離しない強固な結合を実現します。
    役割:ナイロン樹脂と金属基材を化学的・物理的に強力接着させる
  2. STEP 02 予熱(制御炉による精密加熱)
    ナイロンの融点はポリエチレンより高いため、高温での精密な加熱管理が必要です。基材の「熱容量」を計算し、最適なディッピング温度を維持します。
    役割:樹脂を瞬時に均一溶融させ、ムラのない平滑な被膜を作る
  3. STEP 03 浸漬または吹き付け(ディッピング/静電)
    用途に応じて、流動状態のタンクへ浸漬するか、静電ガンにて粉体を吹き付けます。いずれも複雑な形状の細部までナイロン樹脂が回り込みます。
    役割:50µmの薄膜から800µmの厚膜まで、目的の機能を付与する
  4. STEP 04 後処理(平滑化 & 急冷)
    必要に応じて後熱を行い表面を平滑にした後、ナイロンの種類によっては「急冷」を行うことで、結晶化度を制御し、より靭性の高い被膜に仕上げます。
    役割:表面の美観(グロス)向上と、被膜の強度・柔軟性の調整
  5. STEP 05 精密検査
    膜厚測定(薄膜の場合は特に厳密に)、ピンホールテスト、密着試験等を行い、工業規格に準拠しているか確認します。
    役割:高機能被膜としての品質を最終保証する

ナイロンコーティングの主なメリット

圧倒的な耐摩耗性:摺動部品の寿命を大幅延長
低摩擦系数:グリスレスでの滑り性が向上
耐油・耐薬品性:ガソリンや溶剤、油に強い
耐塩害・防食性:過酷な海洋環境下でも金属を保護

主な用途例:機能性を求める工業部品に

  • 医療・介護: 医療器具用洗浄バスケット(厚膜)、精密医療機器部品(薄膜)、滅菌トレイ、ベッドサイドレール
  • 自動車・車両: スプラインシャフト(静電・薄膜)、スライドレール、ドアラッチ、冷却水パイプ
  • 水道・バルブ: 水道用仕切弁、消火栓部品、塩害地域のバルブ(耐腐食・衛生面)
  • 産業機械: カム、ギヤ、各種ローラー、コンベア部品(消音・低摩擦)
  • 電設・通信: 地中埋設用金具、変圧器用部品(耐候性・電気絶縁)
  • 建築・景観: ハンドレール、フェンス、屋外遊具(耐候・耐摩耗)

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