フッ素樹脂コーティングは非粘着性、低摩擦性、耐薬品性、耐熱耐寒性、撥水性、電気絶縁性と多岐にわたり非常に優れた表面処理ですが優れた電気絶縁性は、静電気が発生する環境において、帯電しやすい性質によりトラブルを招く場合があります。弊社独自の帯電防止フッ素樹脂コーティングは、様々な電気抵抗値を実現し、様々な場面で満足して頂ける塗装面をつくるコーティング技術です。
静電気と帯電とは
静電気とは、物体が帯電している状態や、その帯電している電気(電荷)自体を指します。また、帯電とは、物体が電気的にプラスまたはマイナスの電荷を持つ状態のことです。物質によって、プラスに帯電しやすいものとマイナスに帯電しやすいものがあります。
それぞれの物質が帯電しやすい順番を示したものを「帯電列」と呼びます。帯電列内の2つの物質をこすり合わせると、プラス側の物質が正電荷を帯び、マイナス側の物質が負電荷を帯びやすい特徴があります。また、列内で物質が離れているほど、発生する静電気の量が大きくなることが分かっています。
静電気は製品の破壊、機器のトラブル、発火・爆発の原因にもなります。
静電気発生の状況
静電気には「剥離帯電」「摩擦帯電」「接触帯電」の3種類があります。
生産現場や評価環境での静電気の弊害
意図的ではない静電気の発生は生産現場や評価環境で様々な弊害をもたらします。
| 静電気が発生し、埃やゴミは製品に付着する。 | |
| 帯電した静電気の放電現象により、製品が破壊される。 | |
| 設備にフィルムがくっつき、フィーダーが詰まるなど、生産効率を低下させる。 また、ノイズが発生し、設備の誤作動を起こす場合もある。 |
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| 静電気放電により、火災や爆発が起こる。 | |
| 静電気放電ショックにより、2次災害(作業者が驚いて物を落とす、足を滑らすなど)の発生。 |
帯電防止フッ素樹脂コーティングの特長・効果
帯電防止性(導電性) / 非粘着性/耐熱・耐寒性 / 耐薬品性 / 低摩擦性 / 撥水性
フッ素樹脂コーティングならではの非粘着性や耐薬品性、低摩擦性を損なうことなく、帯電防止性が付与されています。とくに静電気の影響を受けやすいケースでも、装置の不具合や不良品の発生をいちじるしく抑え、コーティングの優れた機能を生かすことができます。
ご希望の表面抵抗値がございましたら是非とも我々にご相談ください。
帯電防止フッ素樹脂コーティングの用途
計量ホッパー・押し出しスクリュー・耐化学薬品用タンク・撹拌羽根・ストレーナー・ハウジング・ポンプ・バルブ・配管(直管、T字管、エルボ、レデューサー)・ヘルール配管・塗料、インク用容器・ウエハーチャック・コーターノズル・接着剤パン・洗浄チャンバー・ロール・製品保護用ガイド・遠心分離機
帯電防止フッ素樹脂コーティングに関するQ&A

帯電防止フッ素樹脂コーティングとはどのような処理ですか?

フッ素樹脂の特長である低摩擦性・非粘着性・耐薬品性に加え、静電気を溜めにくくする帯電防止性能を付与した高機能コーティングです。粉体の付着防止や静電気トラブルの抑制に効果があります。

どんな特長がありますか?

帯電防止フッ素樹脂コーティングには以下の特長があります。
・静電気を溜めにくい帯電防止性能
・粉体・樹脂・食品などの付着防止
・優れた低摩擦性・滑り性
・酸・アルカリ・溶剤に強い耐薬品性
・非粘着性が高く、洗浄が容易
・耐熱性(200〜260℃程度)
・金属・樹脂など幅広い素材に対応
“滑り+耐薬品+帯電防止”を同時に求める現場で特に効果を発揮します。

どんな用途で採用されていますか?

帯電防止フッ素樹脂コーティングは以下の用途で採用されています。
■ 粉体・樹脂・食品の搬送設備
・ホッパー、シュート、スクリュー
・ローラー、ガイド、コンベア部品
■ 電子・電気部品
・静電気対策が必要な治具
・絶縁+帯電防止用途の部品
■ 化学・薬品設備
・薬品タンク、配管、攪拌部品
・粉体処理設備の付着防止
■ 成形・加工設備
・樹脂成形機の付着防止
・金型の離型性向上+帯電防止
■ 食品加工設備
・粉体食品の付着防止
・衛生性が求められる部品
“粉体が付く・静電気が溜まる・薬品に触れる”といった課題をまとめて解決できます。

膜厚はどのくらいになりますか?

一般的には20〜30μm程度の薄膜が標準です。離型性や耐摩耗性を重視する場合は50μm以上の仕様も可能です。薄膜でも帯電防止性能を発揮します。

どんな素材にコーティングできますか?

鉄、ステンレス、アルミなどの金属に加え、樹脂部品にも施工可能です。粉体搬送部品や電子部品など、幅広い素材に対応します。

帯電防止性能はどのくらいですか?

表面抵抗値は10⁴〜10¹²Ω程度の帯電防止領域に調整可能です。静電気の蓄積を抑え、粉体の付着や静電気トラブルを大幅に低減します。

耐熱性はどのくらいですか?

一般的には200〜260℃程度の耐熱性があります。高温環境での粉体搬送や成形機周辺部品にも使用できます。

耐薬品性はありますか?

フッ素樹脂の特長である耐薬品性はそのまま維持されており、酸・アルカリ・溶剤に対して非常に高い耐性があります。化学設備や薬品環境での使用に最適です。

食品衛生法には対応していますか?

食品接触用途に対応した帯電防止フッ素樹脂もあり、食品衛生法に適合した仕様での施工が可能です。粉体食品の付着防止用途で採用されています。

REACH規制には対応していますか?

REACH規制に準拠した材料を使用しており、環境負荷に配慮した仕様にも対応可能です。食品設備・化学設備・電子部品など幅広い用途で安心してご利用いただけます。