塩ビ(ポリ塩化ビニル/PVC)コーティングとは
塩ビコーティングは、優れた成形性、高い耐薬品性、そして絶縁性能を兼ね備えた特殊なコーティング技術です。これにより、機能性だけでなく、美観にも対応する柔軟性を持っています。そのため、電機機器やめっき治具など、さまざまな産業分野で広く活用されています。
さらに、このコーティングは、高い品質と長期的な性能維持が求められる用途に最適です。また、多様な製造プロセスにも柔軟に対応するため、幅広いニーズに応えることができます。
塩ビ(ポリ塩化ビニル/PVC)の特長
| 特 性 | 効 果 |
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耐薬品性
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酸、アルカリにはおおむね良好です。溶剤類には不可です。 |
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電気絶縁性
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高い電気絶縁性を持っています。 膜厚1mmで絶縁破壊電圧が12kv以上です。 |
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クッション性
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手になじみ、硬度40°と柔らかく、クッション性に優れ膜厚は5mmまで対応できます。 |
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モールディング性
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モールディングが容易なので、複雑な形状にも対応できます。 |
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耐候性
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ゴムと違い酸化による被膜の劣化がありません。 |
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美観性
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光沢のある表面で、幅広い色調を選択できます。 |
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低温焼成
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焼付工程が170℃と低温のため、幅広い基材に対応できます。 |
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膜厚
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1.0~5.0mm |
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色調
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オレンジ・ブラック、アイボリー、グレー、他各色 |
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適用基材
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金属 |
導入事例の説明

塩ビコーティング導入事例
- 絶縁性に優れ、コネクタカバーやプラグキャップなど、様々な絶縁部品に使用されます。
- 非常に優れた耐薬品性を持ち、耐薬品槽やめっき治具などの防蝕に抜群の効果があります。
- クッション性に優れ、公園遊具やキャップハンドルなどの用途にも向いています。
塩ビ(PVC)加工の事例紹介

塩ビコーティングされた養豚場のスノコ

塩ビコーティングされためっき治具
塩ビコーティングの用途
- ハンドル、ワイヤーハーネス、グリップ、キャップ、めっき治具、電気部品など
塩ビ(PVC)コーティングに関するQ&A

塩ビ(PVC)コーティングとはどのような処理ですか?

塩化ビニル樹脂(PVC)を基材に厚く被覆し、耐薬品性・耐食性・耐摩耗性・電気絶縁性を付与する表面処理です。柔軟性が高く、衝撃吸収性にも優れているため、金属治具や設備部品の保護に広く利用されています。

どんな特長がありますか?

耐薬品性・耐食性・耐摩耗性に優れ、厚膜形成が容易で、衝撃吸収性と電気絶縁性を兼ね備えています。金属を腐食や薬品から守りつつ、ワークへの傷付きを防ぐ用途に最適です。

どんな採用事例がありますか?(メッキ治具など)

塩ビコーティングは特にメッキ治具で多く採用されています。酸・アルカリ・メッキ液に対する耐薬品性が高く、金属治具の腐食防止やワークの傷防止に効果的です。その他にも、搬送治具、ラック、フック、治具ハンガー、化学薬品タンク内部、配管、グリップ部品など幅広い用途で利用されています。

膜厚はどのくらいになりますか?

一般的には1.5mm〜3.0mm程度の厚膜が多く、用途によっては3.0mm以上のコーティングも可能です。メッキ治具では耐薬品性と耐久性を確保するため、厚膜仕様が採用されることが多いです。

どんな素材にコーティングできますか?

鉄、ステンレス、アルミなどの金属に施工できます。特にメッキ治具や化学設備部品など、金属の腐食対策が必要な場面で多く採用されています。形状が複雑な治具にも対応可能です。

耐薬品性はありますか?

酸・アルカリ・塩類・メッキ液に対して高い耐性があります。特にメッキ工程の酸洗いや電解液に強く、治具の寿命延長に大きく貢献します。

電気絶縁性はありますか?

塩ビ樹脂は電気絶縁性に優れており、治具のショート防止や電解工程での不要な通電を防ぐ目的でも使用されます。メッキ治具や電気設備部品の絶縁保護としても有効です。

耐熱温度はどのくらいですか?

一般的には60〜80℃程度が目安です。高温環境での使用には不向きなため、温度条件に応じて他のコーティング(フッ素・エポキシなど)をご提案する場合があります。

密着性は問題ありませんか?

金属表面にサンドブラストや脱脂などの前処理を行うことで、強固な密着性を確保しています。厚膜でも剥がれにくく、治具の長寿命化に寄与します。

食品衛生法には対応していますか?

食品接触用途に対応したPVC材料もあり、食品衛生法に適合した仕様での施工が可能です。食品工場のラックや治具にも使用されています。

REACH規制には対応していますか?

REACH規制に準拠した材料を使用しており、環境負荷に配慮した仕様にも対応可能です。メッキ治具や化学設備向けの環境対応コーティングとしてもご提案できます。