フッ素樹脂コーティング加工は、離型性や耐薬品性、耐摩耗性、耐腐食性、耐熱性、非粘着性、耐水性に優れた数多くの特徴を持っています。基本となる4種類のフッ素樹脂による特性により、フッ素樹脂コーティングは、食品業界、繊維業界、化学業界、電子業界、プラスティック業界などと多くの産業で使用され、長期間にわたり高性能を維持し、さらには剥離しメンテナンスする事も可能です。フッ素樹脂コーティングはPTFE、FEP、PFA、ETFE、シルクウェア、その他各種を用途によって使い分けしております。
多機能性を持つフッ素樹脂コーティングの特徴
下記にご紹介するのは、基本となるフッ素樹脂です。
- PTFE : 一般的フッ素被膜で、非粘着性、低摩擦性を有します。
- FEP : 非粘着、耐薬品性に優れ、厚膜の場合ノンピンホールになります。
- PFA : 物性はPTFEとほぼ同一ですが、耐蝕、耐摩耗性に優れています。
- ETFE : 非粘着、耐薬品性に優れ、厚膜の場合ノンピンホールになります。
- シルクウェア : 食品衛生法に準拠する塗膜で、耐熱性、耐摩耗性に優れています。
フッ素樹脂の特性
フッ素樹脂コーティングは、フッ素原子と炭素原子が結合した高分子化合物です。その特異な表面特性として、非粘着性、耐酸性、低摩擦性、電気絶縁性、および耐熱性を持ちます。これにより、薬品用配管の内面やシリンダーロール、厨房機器などに使用され、工業的に高い利便性を誇る表面処理として多方面に利用されています。一般的なフッ素樹脂コーティングは、焼き付け型のフッ素樹脂を300℃以上の高温で処理して表面加工されます。
| 特 性 | 効 果 |
|---|---|
| 非粘着性 | 他の物質や材料に付着しにくい特性を指します。付着しても除去が容易です。 |
| 耐熱性 | -260℃~+260℃までの広範囲で使用可。断続的に+300℃まで使用できます。 |
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低摩擦性
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0.05~0.15の摩擦係数を持ち、自己潤滑性をもちます。 |
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耐薬品性
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酸、アルカリ、有機溶剤など、ほとんどの薬品に耐性があります。 |
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電気絶縁性
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標準では電気絶縁性を持ちます。導電性のテフロンもあります。 |
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名称
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特性
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|---|---|
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PTFE
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一般的フッ素被膜で、非粘着、低摩擦性をもっています。 |
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FEP
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物性はTFEとほぼ同一ですが、耐蝕、耐摩耗に優れています。 |
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PFA
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非粘着性に優れ、ノンピンホールの被膜です。 |
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シルクウェア
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耐摩耗と非粘着性を向上させた食品衛生法に準拠する塗膜です。 |
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ETFE
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厚膜が可能で引張強度、引張伸度の優れた特性を持つ被膜です。 |
| 名 称 | 膜 厚 | カラー |
|---|---|---|
| PTFE(ポリテトラフルオロエチレン) | 20μm~30μm | グレー・ブラウン |
| FEP(フッ素化エチレンプロピレン) | 40μm~50μm | グリーン・ブラウン |
| PFA(パーフルオロアルコキシ) | 30μm~300μm | ブラック・グレー |
| ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体) | 100μm~500μm | クリア・ブラック |
フッ素樹脂コーティングの導入事例

食品機器へ食品衛生法に準拠するフッ素樹脂コーティングの導入事例
- フッ素樹脂の特性として、非粘着性、低摩擦性、電気絶縁性、耐酸、耐熱性を持っております。
- 0.05~0.15の摩擦係数を持ち、自己潤滑性をもっています。
- 食品衛生法にも適応しています。

薬品タンク内面へ耐薬品性を付与したフッ素コーティングの加工事例
- フッ素コーティングは、酸、アルカリ、有機溶剤など、ほとんどの薬品に侵されません。
- -260℃から+260℃までの広範囲で使用可能。継続的に+300℃までの使用に耐えます。
- タンクなどの単純形状の部品だけでなく、バルブやコックなどの複雑形状の部品にも適用可能です。
加工事例紹介
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PTFE / グレー ![]() 容器を成形する際の型です。離型性アップが目的です。 |
FEP / グリーン
![]() 薬品を冷却するコイルです。耐薬品性アップが目的です。 |
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PFA / ブラック ![]() ノズル内面へ粘着物が固着するため、非粘着性アップが目的です。 |
シルクウェア
![]() ゴムを成形する型枠です。離型性アップが目的です。 |
フッ素樹脂コーティングの用途
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食品業界
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パン焼き型、厨房機器、ミキサー、ロール |
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繊維業界
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シリンダーロール、染色用ロール |
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化学業界
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プラント機器、メッキ槽、応用釜 |
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プラスティック業界
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金型、ガイドロール |
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電子業界
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各種槽、洗浄かご |
フッ素コーティングに関するQ&A

フッ素コーティングとはどのような処理ですか?

基材表面にフッ素樹脂を被覆し、非粘着性や耐薬品性、低摩擦性といった特性を付与する表面処理です。金属だけでなく樹脂やガラスにも適用でき、幅広い用途で利用されています。

膜厚はどのくらいになりますか?

一般的には30〜50μm程度が標準ですが、用途によっては数μmの薄膜から300μm以上の厚膜まで調整できます。ワークの形状や目的に合わせて最適な仕様をご提案します。

どのような特性がありますか?

非粘着性、耐薬品性、耐熱性、低摩擦性、耐候性など、多くの優れた特性を備えています。食品機器や化学装置、搬送部品など、環境の厳しい現場でも安定した性能を発揮します。

どんな素材にコーティングできますか?

アルミ、ステンレス、鉄、銅などの金属に加え、ガラス、セラミック、樹脂などにも施工可能です。素材ごとに前処理方法が異なるため、事前に仕様を確認させていただきます。

耐熱温度はどのくらいですか?

使用するフッ素樹脂の種類によって異なりますが、一般的には200〜260℃程度が目安です。高温環境での使用を想定される場合は、樹脂グレードの選定からご相談いただけます。

摩擦係数はどのくらいですか?

フッ素樹脂は非常に滑りが良く、摩擦係数は0.05〜0.2程度が一般的です。摺動部品や搬送ラインなど、摩擦低減が求められる用途で効果を発揮します。

密着性は問題ありませんか?

フッ素樹脂は本来密着しにくい素材ですが、適切な前処理(サンドブラストなど)を行うことで密着性を確保しています。使用条件に応じて下地処理を調整します。

食品衛生法には対応していますか?

食品機器向けのフッ素コーティング材も取り扱っており、食品衛生法に適合した材料での施工が可能です。用途に応じて最適なグレードをご案内します。

REACH規制には対応していますか?

最新のREACH規制に準拠した材料を使用しており、PFOA規制値にも対応したコーティングを提供しています。環境負荷に配慮した仕様をご希望の場合もご相談ください。



