セラミックコーティング(超高硬度・耐熱仕様)基本工程フロー

セラミックコーティングは、無機質のシリカやアルミナを主成分とし、フッ素樹脂や一般的な有機塗料を遥かに凌駕する極めて高い耐熱性、表面硬度、および耐摩耗性を実現する表面処理技術です。

本仕様では、液体スプレー塗装による精密な膜厚管理を行い、高温焼成によって強固な無機結合被膜を形成します。1000℃クラスの耐熱性や、金属並みの硬度を必要とする過酷な環境に最適です。

標準仕様(産業用・高耐久セラメタグレード)

塗装構成 無機系セラミックプライマー + セラミックトップコート(液体スプレー)
標準膜厚 20 〜 50 µm(薄膜高硬度仕様) / 多層時:〜100 µm
耐熱温度 連続使用:400 〜 800 ℃(組成により最大1000 ℃以上)
鉛筆硬度 9H 以上(超高硬度)
外観色 メタリックグレー / マットブラック / ホワイト

高品質を実現する加工工程

セラミック被膜の「割れ」や「剥離」を防ぎ、性能を最大化するためのプロセスです。

  1. STEP 01 下地処理(精密脱脂・空焼き)
    金属基材の不純物を完全に除去します。セラミックは有機物への密着が極端に低いため、高温の「空焼き」で基材内部の油分まで焼き切ることが必須です。
    役割:完全な親水・清浄表面を作り、被膜のフクレを根本から防止
  2. STEP 02 強力ブラスト処理(表面粗化)
    アルミナなどの硬質研削材を用い、通常よりも深いアンカーパターンを形成します。
    役割:脆性のあるセラミック被膜を基材に物理的に強力固定
  3. STEP 03 セラミックプライマー塗布
    基材との密着と熱膨張差の緩衝を目的とした、無機・有機ハイブリッドプライマーをスプレー塗布します。
    役割:剥離耐性の向上と、基材への防食性能の付与
  4. STEP 04 セラミックトップコート塗布(液体スプレー)
    微細化されたセラミック粒子を含む塗剤をスプレーガンで均一に塗布します。薄膜でレベリングさせることが、割れを防ぐ重要ポイントです。
    役割:超硬度、耐熱、化学的安定性の確保
  5. STEP 05 多段階焼成(レベリング 〜 本焼成)
    【条件】150 ℃(予備乾燥) → 400~600 ℃(本焼成)
    急激な昇温を避け、段階的に温度を上げることで、被膜内部の残留溶剤を抜きながら強固な無機結合を促進させます。
    役割:緻密なセラミック構造を形成し、究極の耐摩耗性を発現
  6. STEP 06 徐冷・仕上げ検査
    急冷によるクラックを防ぐため、炉内でゆっくりと温度を下げます。その後、膜厚および密着検査を実施します。
    役割:内部応力を除去し、安定した品質を保証

セラミックコーティングの主な特性

超高硬度(9H以上)による圧倒的な耐摩耗性
有機塗料では不可能な超高温(800℃以上)耐熱
優れた電気絶縁性能と不燃性
低摩擦系数による滑り性(一部グレード)

主な用途例

  • エンジンエキゾースト・マニホールド: 極限の熱負荷がかかる排気系部品
  • ヒーター部材・加熱炉内壁: 連続的な高温環境での絶縁と表面保護
  • 成形金型・スクリュ: 樹脂や金属粉による摩耗が激しい摺動部
  • 化学装置の熱交換器: 高温腐食ガスにさらされる部材の延命

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