生産性を劇的に向上させる
非粘着・離型性コーティング技術
非粘着・離型性コーティングは、粘着性の高い物質の付着を防ぎ、清掃や製品歩留まりを大幅に改善します。特にフッ素樹脂コーティングは、その優れた撥水性・撥油性から、食品、化学、電子など幅広い分野で不可欠な技術です。
非粘着性・離型性(すべり性)コーティングの定義
「非粘着性」とは、接着剤、樹脂、食品、粉体といった粘着性の高い物質が表面に固着しにくく、容易に剥がれる性質を指します。 この「すべり性」は、生産ラインにおける離型性、設備の清掃性、そして最終製品の歩留まりの向上に直結し、多様な製造分野で利用されています。
注目される効果
製品の品質安定化、清掃時間の削減、設備停止リスクの低減など、製造コスト全体を最適化する効果があります。
フッ素樹脂が実現する、高い非粘着性のメカニズム
フッ素樹脂コーティングが離型性を発揮できるのは、その独特な分子構造に秘密があります。
- 撥水性・撥油性: 表面のエネルギー(臨界表面張力)が極めて低いため、水や油といった液体が接触角を大きく保ち、表面が「ぬれにくい」状態となり、付着を強力に弾きます。
- C-F結合の強さ: 炭素とフッ素の結合(C-F結合)が非常に強固であり、他の物質との化学反応が起きにくく、薬品による浸食も受けにくいです。
- 分子構造の安定性: その結果、耐薬品性・耐熱性・電気絶縁性といった基本性能にも優れ、幅広い環境で長期的な耐久性を実現します。
主なコーティングの種類と用途
| コーティング種別 | 特長 | 主な用途 |
|---|---|---|
| フッ素樹脂(PTFE・FEP・PFA) | 非粘着性・耐薬品性・耐熱性 | 焼き型、ホッパー、搬送部品、金型 |
| セラミックコーティング | 高硬度・耐熱性・離型性 | 高温成形金型、乾燥ロール |
| シリコンコーティング | 柔軟性・離型性・耐熱性 | 粘着テープ、ホットメルト、フィルム加工部品 |
導入事例:清掃時間と歩留まりの改善
食品製造ラインの洗浄時間削減
焼き型にフッ素樹脂コーティングを施工。焼き菓子の離型性が大幅に向上し、洗浄にかかる時間を50%削減。
ゴム製品の離型不良解消
ゴム成形用金型にFEPコーティングを採用。製品の貼り付きが解消され、離型不良がなくなり、歩留まりが改善。
高純度製造の異物防止
半導体・電子部品製造のCMP研磨装置部品にフッ素樹脂コートを適用。スラリーの残留を防ぎ、製品純度を維持。
非粘着・離型性コーティングは、製品品質の安定化、清掃性の向上、そして設備の長寿命化に大きく貢献します。ご使用環境や対象物に応じた最適なコーティングをご提案いたします。
非粘着コーティング(離型性コーティング)に関するQ&A

非粘着(離型性)コーティングとはどのような処理ですか?

食品・樹脂・ゴム・化学原料などが金属表面に付着しないようにするためのコーティングです。フッ素樹脂やシリコーン、PFA厚膜、セラミックなどを用いて、こびりつき・焦げ付き・付着を防ぎ、生産効率と清掃性を大幅に向上させます。

どんな種類の非粘着コーティングがありますか?

主に以下の種類があります。
・フッ素樹脂コーティング(PTFE/PFA/FEP)
・PFA厚膜コーティング(強薬品+高温+離型)
・シリコーンコーティング(離型性・耐熱)
・セラミックコーティング(耐熱+耐摩耗)
・帯電防止フッ素(粉体付着防止)
・PVC(塩ビ)コーティング(厚膜保護・軽い離型性)
用途に応じて最適な膜種を選定します。

どんな設備・部品に使われていますか?

非粘着性が求められるあらゆる工程で採用されています。
■ 食品加工設備
・焼成プレート
・ホットプレート
・ミキサー・攪拌翼
・充填ノズル
■ 樹脂・ゴム成形
・金型(離型性向上)
・スライド部品
■ 化学・医薬
・粉体搬送シュート
・ホッパー・タンク内部
■ 包装・製袋機
・シールバー
・フィルム搬送部品
■ その他
・治具・ガイド
・軽い離型用途でPVCコーティングが使われる場合もあります
“付着・焦げ付き・こびりつき”の課題をまとめて解決できます。

非粘着性が必要な理由は何ですか?

付着が発生すると以下の問題が起こります。
・焦げ付き・こびりつき
・洗浄時間の増加
・異物混入リスク
・品質不良
・歩留まり低下
非粘着コーティングはこれらを防ぎ、衛生性・生産効率・品質を大幅に向上させます。

耐熱性はどのくらいありますか?

膜種によって異なります。
・フッ素樹脂:200〜260℃
・PFA厚膜:260℃前後
・シリコーン:200〜300℃
・セラミック:500℃以上
・PVC:60〜80℃(高温用途には不向き)
高温工程ではフッ素・シリコーン・セラミックが選ばれます。

耐薬品性はありますか?

はい、特にフッ素樹脂(PTFE/PFA)は強酸・強アルカリ・溶剤に非常に強く、化学・食品・医薬分野で多く採用されています。
PFA厚膜は耐薬品性と離型性を両立できるため、粉体・薬品ラインでも有効です。

膜厚はどのくらいですか?

一般的には以下の通りです。
・フッ素樹脂:20〜40μm
・帯電防止フッ素:20〜40μm
・PFA厚膜:100〜300μm
・シリコーン:20〜40μm
・セラミック:20〜50μm
・PVC:200〜1000μm(厚膜保護用途)
薄膜〜厚膜まで、用途に応じて選択できます。

どの非粘着コーティングを選べばいいか迷った場合は?

用途に応じて最適な膜種を選びます。
・高い非粘着性 → フッ素樹脂
・高温+離型 → シリコーン/セラミック
・強薬品+離型 → PFA厚膜
・粉体付着防止 → 帯電防止フッ素
・厚膜保護 → PVC(軽い離型性あり)
使用環境をお知らせいただければ、最適な仕様をご提案できます。