フッ素樹脂コーティングとは?
フッ素樹脂コーティングは、非粘着性、優れた耐熱性・耐薬品性、そして低摩擦性を製造設備に付与する表面処理技術です。 特に食品製造分野においては、材料の付着を防ぎ、製造ラインの停止や品質低下のリスクを大幅に削減します。
食品製造に不可欠な特性
- 離型性・非粘着性: 米や生地、粘度の高い食材が設備にこびりつくのを防ぎます。
- 耐熱性・耐久性: 高温の調理・洗浄工程でも性能が劣化しにくく、長寿命です。
- 清潔性: 表面が滑らかで汚れが付きにくく、高い洗浄効果が得られます。
- 食品衛生法への適合: 食品に直接触れる部分への利用が可能な適合材料を厳選して使用します。
活用事例紹介(業種別)
自動炊飯ライン
Rice Cooking Process
課題:
炊飯器や搬送トレイに米飯が強力にこびりつき、毎日の洗浄作業に膨大な時間がかかっていました。
解決:
PFA粉体タイプのフッ素樹脂を厚膜でコーティング。完璧な離型性を実現しました。
導入効果:
- 洗浄時間を70%短縮
- ライン監視業務の削減
- 製品ロス低減
酒造工場
Sake Brewing Process
課題:
酒造り工程で、蒸し米や米麹の搬送時に部品への粘着が発生。歩留まり低下と衛生リスクがありました。
解決:
ホッパーやスクリューフィーダーなどの搬送部品に食品グレードのフッ素樹脂加工を施しました。
導入効果:
- 搬送トラブルゼロ化
- スムーズな原料供給を実現
- 衛生管理基準の向上
焼き菓子製造
Baked Confectionery
課題:
焼き型から生地を剥がす際に破損が発生したり、型に焦げ付きが残り、洗浄工数が負担となっていました。
解決:
焼き型全体に非粘着性・耐摩耗性に優れたコーティングを施し、油の使用量も削減しました。
導入効果:
- 製品の歩留まり率10%向上
- 焼き型洗浄工数80%削減
- 離型剤(油)のコスト削減
フッ素樹脂コーティング導入のメリット
省力化・自動化の促進
設備への粘着トラブルがなくなることで、人的な監視や介入が減り、ラインの全自動化を強力にサポートします。
洗浄時間の短縮と効率化
汚れが簡単に落ちるため、高圧洗浄や長時間浸け置きが不要に。洗浄コストとライン停止時間を大幅に削減します。
製品品質の安定
原料の付着による焦げ付きや異物混入のリスクを排除し、均一で高品質な製品の安定供給に貢献します。
衛生管理の強化 (HACCP対応)
菌の温床となりやすい付着箇所をなくし、洗浄性の向上により、高度な食品安全・衛生管理体制を構築できます。
食品分野で選ばれる機能性コーティングに関するQ&A

食品分野ではどんなコーティングが使われていますか?

食品分野では、衛生性・非粘着性・耐薬品性・耐熱性・洗浄性が求められます。主に以下のコーティングが使用されています。
・フッ素樹脂コーティング(非粘着・耐薬品)
・PFA/PTFE厚膜コーティング(強薬品・高温)
・シリコーンコーティング(離型・耐熱)
・帯電防止フッ素コーティング(粉体付着防止)
・ポリエステル粉体塗装(耐候・耐食)
・PPSコーティング(耐熱・耐薬品)
食品の安全性と設備の衛生性を維持するために欠かせない技術です。

どんな食品設備・部品にコーティングが使われていますか?

食品加工・包装・搬送のあらゆる設備で採用されています。
■ 食品加工設備
・焼成プレート、ホットプレート(非粘着・耐熱)
・ミキサー、攪拌翼(付着防止)
・カッター、スライサー(摩耗防止)
■ 食品搬送ライン
・ローラー、ガイド、シュート(滑り性・付着防止)
・コンベア部品(耐摩耗・洗浄性)
■ 包装・充填設備
・シールバー(離型性)
・フィルム搬送部品(静電気対策)
■ 衛生設備・タンク類
・薬液タンク、洗浄槽(耐薬品)
・配管・継手(腐食防止)
“付着・衛生・静電気・薬品”の課題をまとめて解決できます。

非粘着性が必要な理由は何ですか?

食品分野では、原料や加工品が付着すると以下の問題が発生します。
・焦げ付き・こびり付き
・洗浄時間の増加
・異物混入リスク
・品質不良
・歩留まり低下
フッ素樹脂やシリコーンコーティングは非粘着性に優れ、食品の付着を防ぎ、衛生性と生産効率を向上させます。

食品衛生法には対応していますか?

はい、食品接触用途に対応したフッ素樹脂・シリコーン・PFAなどの材料を使用することで、食品衛生法に適合した仕様で施工可能です。
食品加工設備・厨房器具・包装設備などで多く採用されています。

耐薬品性はどのくらい重要ですか?

食品工場では、以下のような強い薬品が日常的に使用されます。
・アルカリ洗浄剤
・酸性洗浄剤
・消毒液
・油脂・調味料
・食品添加物
フッ素樹脂(PTFE/PFA)やPPSコーティングはこれらに対して非常に高い耐性を持ち、腐食や劣化を防ぎます。
衛生性の維持・設備寿命の延長に大きく貢献します。

静電気対策は必要ですか?

粉体食品(小麦粉・砂糖・ココア・スパイスなど)を扱う工程では静電気が大きな問題になります。
・粉体の付着
・計量誤差
・搬送不良
・異物混入リスク
帯電防止フッ素樹脂コーティングは、表面抵抗値を10⁶〜10⁹Ωに調整し、静電気の蓄積を抑制します。
粉体搬送ラインで特に効果的です。

耐熱性はどのくらい必要ですか?

食品加工では、加熱・焼成・乾燥など高温工程が多く存在します。
・フッ素樹脂:200〜260℃
・PFA厚膜:260℃前後
・シリコーン:200〜300℃
・セラミック:500℃以上
焼成プレートやホットプレートなど、高温部品には耐熱性が必須です。

膜厚はどのくらいになりますか?

用途により異なりますが、一般的には以下の通りです。
・フッ素樹脂:20〜40μm
・帯電防止フッ素:20〜40μm
・PFA厚膜:100〜300μm
・シリコーン:20〜300μm
・ポリエステル粉体:60〜120μm
薄膜でも高い機能を発揮するのが食品向けコーティングの特長です。

どのコーティングを選べばいいか迷った場合は?

使用環境(温度・薬品・付着・静電気・食品の種類)によって最適なコーティングは異なります。
例えば…
・非粘着+耐熱 → フッ素樹脂
・粉体付着防止 → 帯電防止フッ素
・強薬品+高温 → PFA厚膜
・離型+耐熱 → シリコーン
・耐摩耗+耐食 → ポリエステル粉体
用途をお知らせいただければ、最適な仕様をご提案できます。