化学プラントや半導体設備の配管において、薬液への耐性と同時に「摩耗への強さ」が求められる局面は少なくありません。その要望に応えるべく開発されたのが、ETFE粉体厚膜仕様「GT2500」です。
最大1500μmのライニングを可能にし、プライマー不要で強固な密着性を実現した、乳白色の高強度コーティングの特長を解説します。
【目次】
GT2500のコンセプト:タフネスとバリア性の融合
GT2500は、厳選された高純度ETFE粉体塗料を用いた高機能ライニング仕様です。ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)は、フッ素樹脂の優れた耐薬品性を維持しつつ、他のフッ素樹脂にはない「抜群の機械的強度」を併せ持っています。サンドブラスト後の基材に対し、プライマーを介さずダイレクトに強固な密着層を形成できるため、環境負荷を低減しつつ高い信頼性を確保します。
GT2500が選ばれる「3つの技術的優位性」
GT2500は、物理的な接触が多い部位や、薬液の浸透リスクが高い環境でその真価を発揮します。
最大1500μmの厚膜対応
各層40〜60μmの焼成を繰り返すことで、最大1.5mmまでのライニングが可能。ピンホールのリスクを極限まで抑えたバリア層を形成します。
高い耐摩耗性と硬度
ショアD硬度70〜80という高い硬度を誇ります。スラリー状の薬液や、物理的な擦れが発生する摺動部においても、膜減りが少なく長寿命です。
プライマー不要の密着性
環境対応・工程短縮
基材と塗料が直接融着する特性を持ち、プライマー工程を省略可能。剥離リスクを低減し、コストパフォーマンスに優れた厚膜施工を実現します。
技術仕様(スペック)の整理
高性能ETFE樹脂をベースにした、静電粉体塗装専用の仕様です。
| 樹脂系 | 高強度ETFE(熱可塑性フッ素樹脂) |
|---|---|
| 色相 | ナチュラル(乳白色) |
| 塗装方法 | 静電粉体塗装(印加電圧 -30~-90 kV) |
| 仕上がり膜厚 | 100μm 〜 1500μm |
| 耐熱温度 | 連続:150℃ / 短時間:180℃ |
| 表面硬度 | ショア D 70 〜 80 |
| 焼成条件 | 300~340 ℃ × 10~20 分(基材温度保持) |
施工プロセス:厚膜を実現する1コート1ベーク
GT2500の厚膜ライニングは、精密な温度管理と繰り返しの塗装工程(1コート1ベーク)によって形成されます。
STEP 1
下地処理
脱脂・サンドブラスト
表面清浄化
STEP 2
静電塗装
粉体塗料を静電塗装
40~60µm / 回
STEP 3
焼成・融着
300~340℃で焼成
連続塗膜を形成
REPEATING
重ね塗り
各層焼成を繰り返し
最大1500µmへ
主な採用事例と素材に関する補足
主な用途
- 腐食性ガス・薬液が流れる「ダクト・配管の内面ライニング」
- スラリー混じりの液体を扱う「攪拌翼・遠心分離機」
- 機械的強度が必要な「搬送ガイド・搬送治具」
- 高純度が求められる「半導体関連の薬液タンク」
素材に関する補足
ETFEは、PTFEやPFAに比べ、引張強さや耐衝撃性において2〜3倍近い数値を持ちます。素材のより詳細な物性データについては、当サイトのETFE素材解説ページを併せてご参照ください。