DLCコーティングとは
DLCコーティングとはダイヤモンドライクカーボン(Diamond-Like Carbon, DLC)という ダイヤモンドとグラファイト(黒鉛)の両方の炭素-炭素結合を併せ持つ炭素を主成分とした物質で作られ、 それぞれの特徴の中間的な特性を示す薄膜の総称です。
金属表面にナノレベルの薄膜をつくることで、従来にない低摩耗係数の表面にすることができる技術です。
さまざまな種類のDLCが存在し、多種多様な用途(工具、精密金型、医療器材)で幅広く実用されており、特に電子部品に多く用いられ、銅(銅合金)やインコネル、はんだメッキ品の加工に優れた威力を発揮し、 曲げ、切断用のダイやパンチ、さらには位置決めピン搬送用ガイドにも用いられ、 低摩耗抵抗性(高硬度)、低摩擦係数、耐凝着性、赤外線透過性、デザイン性、生体親和性、ガスバリア性、耐腐食性など様々な機能も持っています。
またペットボトルのガスバリア性コーティングとして適用範囲が大きく拡大しています。
DLCコーティングの機能
非粘着性/すべり性/耐薬品性/撥水・撥油性/耐摩耗性/電気特性・帯電防止性/寸法安定性
DLCコーティング特性
低い摩擦係数 | 摩擦係数が低い(μ=0.1)ため、衝動性 が向上し高い潤滑特性が期待できる。 |
高い硬度 | 硬度がHV3000〜5,000あり、ダイヤモンドに近い硬さを持つ。 |
薄い膜 | 膜厚1μ(数十ナノの超薄膜も可能)厚膜対応可能 |
剥離処理 | プラズマエッチング処理で、膜の除去が可能。再生が容易である。 |
DLCコーティングの使用用途
主に金属の耐摩耗性向上を目的に処理されます。
摩擦熱の減少、焼き付き防止に耐久性の向上が期待できます。
DLCコーティングの成膜方法は、大きく分けて3種類あります。
・PVD法
・CVD法
・プラズマイオン注入法
DLCコーティングは、成膜方法によって特徴が変わります。
DLCコーティング加工の適用例
自動車分野
エンジン部品(バルブリフタ、カムシャフト、給・排気バルブ、ピストンリング、トランスミッションギア、ピストンピン、シムなど) ハイブリッドモーター部品 駆動系部品(クラッチ、カップリング) 燃料系品(プランジャー、輸送パイプ) サスペンション関連部品 内装部品、外装部品
工作機械分野
切削工具(ドリル、エンドミル等) 裁断刃、丸のこ ハサミ バイト リーマー
機械部品分野
摺動部品(ローラーシャフト、クランク、ジョイント、スライダー、軸受け) 動力伝達部品(ギア、プーリー) ロボット部品(関節、アーム、センサー保護カバー) 操作用部品(ボタン、スイッチ、タッチパネル) ケース、筐体、防傷・防汚シールド ハードディスク
金型分野
プラスチック成形用金型、ガラスレンズ成形用金型、ゴム成形用金型、アルミ・アルミ合金・Mg合金用プレス金型、ダイキャスト金型、冷間鍛造金型、容器加工用金型
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