CVDコーティングとは
CVD(Chemical Vapor Deposition)コーティングは化学的な成膜方式で、
大気圧~中真空(100~10-1Pa)の状態において、 ガス状の気体原料を送り込み、
熱、プラズマ、光などのエネルギーを与えて化学反応を励起・促進して薄膜や微粒子を合成し、
基材・基板の表面に吸着・堆積させ処理物表面に超硬質のセラミック化合物を化学的にコーティングさせる方法です。
熱化学蒸着法により各種機能性セラミック膜を、高温度(900~1100℃)で単層又は多層コーティングし、
得られた高硬度、高密着力セラミック膜により素材の性能を飛躍的に向上させます。
CVDコーティングの機能
すべり性/耐薬品性/耐熱性/ 撥水・撥油性/親水性/耐摩耗性/ 電気特性/寸法安定性
CVDコーティングの特長
色調 | ダークゴールド |
膜厚 | 5~8μm |
密着力Lc値 | 90N以上 |
硬度HV | 3000~4000HV |
摩擦係数 | 0.25~0.45 |
CVD成膜の用途
半導体の絶縁膜・保護膜(酸化シリコン,窒化シリコン,etc.)
切削工具の刃先部やギアの接触部(窒化炭素,窒化チタン,etc.)
CVDの種類
熱CVD
熱による分解反応や化学反応を利用する方式。
触媒化学気相成長法(Cat-CVD) – 高温のフィラメントを用いて原料ガスを分解させる方式。
ホットワイヤー型CVD(HWCVD)とも呼ばれる
プラズマCVD
プラズマを用いて原料ガスの原子や分子を励起・反応させる方式。
ECRプラズマCVD
光CVD
MO CVD
原料に有機金属を用いるもの。
CVDセラミックコーティング加工の適用例
金型
冷間鍛造用金型、フォーミングパンチ・ダイ、ニブ、トリミングダイス、サイジングダイス、曲げダイ、絞りパンチ・ダイ、抜パンチ、トリマーダイス、プラスパンチ、バーリングパンチ、コイニングパンチ、刻印、マンドレルダイカストピン、入子ピン、押出ダイス
切削工具・刃物
超硬チップ、バイト、パイプ切断刃、カッター、チェザーチップ
機械部品
基準ピン、ガイド、ローラー、ホルダー、ニードル、ブッシュ、電極、給電子、ノズル、プラグ、ボールバルブ、ベアリングボール、ホットランナーノズル
その他
セラミック、カーボン部品
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