流動浸漬塗装とは

流動浸漬塗装イメージ

粉体塗装の一種、流動浸漬塗装法とは

流動浸漬塗装法とは、粉体塗装法の一種です。
多孔板を底板とする容器(流動浸漬槽)に粉体塗料を入れ、底から圧縮空気を送ることで、粉体塗料が舞い流動します。
粉体塗料が流動した容器内に、コーティングしたいワークを予熱して入れることで粉体塗料が付着し、熱によって溶融することで塗膜が形成されます。

主に浸漬時間によって、1コートで250μm~500μm以上の膜厚が得られます。

※ワークの蓄熱状況により膜厚は変動します。

流動浸漬塗装の特徴

流動浸漬法の粉体塗装では200μ〜500μの高膜厚の塗膜になります。

有機溶剤を使用せず、100%固形物の粉末状の塗料を使用する為
大気汚染がなく、無公害の環境に優しい塗装です。

高塗膜により耐久性(絶縁性,耐化学薬品性,耐食性,耐候性)が非常に優れております。
また、高分子樹脂の特徴により、優れた塗膜強度、密着性を保持しております。

流動浸漬塗装が可能な粉体樹脂塗料の種類

主に流動浸漬塗装に使用される粉体塗料が下記の4種類になります。それぞれ詳細な情報はリンク先で確認することが出来ます。

流動浸漬塗装法に使用される熱可塑性粉体塗料は主に塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン等の樹脂が使用されます。

熱可塑性塗料は、熱を加える事により融解し形状を変化させ、冷えると硬化し形状が安定するという特徴を持ちます。

熱可塑性粉体塗料は熱による化学変化を伴わないため、再び熱を加えると軟化及び形状の変化が繰り返されます。

※一部の工程では、後加熱を行う場合もあり、その場合は半融解状態の粉体塗料を完全に融解させ平滑にするためで、熱硬化性塗料の様な焼付け工程ではありません。

流動浸漬塗装のデメリット

ワークに一定の熱が加わるので薄い基材はゆがむ恐れがあり、素地が変色する恐れもあります。

浸漬槽や乾燥炉のサイズによりワークに大きさや形状の制限があります。

少量の塗装においても一定以上の塗料が必要になります。

熱容量の小さな被塗物、熱容量の違う材料の組み合わせた被塗物では塗装が困難。

流動浸漬塗装が使われる皮膜物の例

ポリエチレン

フェンス、自転車カゴ、冷蔵庫棚などの雑貨、パイプ、建築資材など

エポキシ

電気関係のハウジング、ブスバーなどの電気製品、鋼管継手、鋳物など

ナイロン

ハンドル、ステー、カバー関係、ショーケース、バルブ、ポンプ部品、装飾など

フッ素樹脂

めっき冶具、洗浄カゴ、ポンプ部品

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    流動浸漬塗装とは」への1件のフィードバック

    1. ピンバック: パウダーコーティング(粉体塗装)のデメリット - みのる産業株式会社

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