パウダーコーティング(粉体塗装)のメリット

粉体塗装のメリット

粉体塗装とは、パウダー状の塗料を金属に直接付着させて加熱し、乾燥させて固めることで塗膜とする塗装法です。

粉体塗装(パウダーコーティング)のメリットとは

一般的な塗装に用いられる有機溶剤を全く使用しないため、環境や人体への影響が小さく、環境保全や健康増進への取り組みが強化されている現在、注目が集まっています。また、省資源性にも優れるほか、自動化しやすいという特徴もあります。これらの理由から、溶剤塗装からの転換が進んでおり、その市場は拡大しています。

  • VOC0%
  • 非危険物
  • 1回塗りが可能
  • 膜厚塗装が可能
  • 粉体塗料の回収再利用が可能
  • 強靭な塗膜の形成

粉体塗料は1回塗の上、膜厚塗装も可能で強靭な塗膜を形成することができる優れた塗料です。このような特性から、家電、自動車部品、金属部品など多くの分野で活用されています。

人体環境にやさしいコーティング方法

溶剤塗装において顔料や樹脂を溶かすために有機溶剤が、粉体塗装には用いられていないからです。

溶剤塗料に含まれる有機溶剤は揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、以降VOC)にあたります。

このVOCは光化学スモッグの原因となることから大気汚染が懸念され、有機溶剤は水質汚濁の原因にもなりえます。

そのため溶剤塗装は環境面において、悪影響を与えてしまう可能性がある塗装方法と言えます。

更にこのVOCは環境だけでなく私たちの健康面にも悪影響を与えます。

具体例としてはシックハウス症候群です。

溶剤塗料を被塗物に塗布した後、揮発する際に空気中へVOCが放出され、これを人間が吸い込むことでシックハウス症候群のような中毒症状の原因となり、健康面に不調をきたすことになります。

一方で粉体塗装は先述のように、塗料には有機溶剤が一切使用されていないことから塗装を施した際にVOCの発生は限りなくゼロに近い状態に抑えることができます。

そのため粉体塗装は環境および身体の両方にやさしい塗装方法であり、特に今後の環境対策として、溶剤塗装から切り替える必要があるかもしれません。

高い耐久力を有した(皮膜)塗膜

溶剤塗装は有機溶剤を用いて顔料や樹脂などを溶かして塗料とするのに対して、粉体塗装は有機溶剤を一切用いずに顔料や樹脂を粉体に砕いて塗料が構成されます。

つまりこのパウダー状の顔料や樹脂がそのまま塗膜となることので、溶剤塗料に比べて塗膜が厚く形成されるのです。

そのため粉体塗装により形成される塗膜は高い耐久力を持つことになります。

具体的に粉体塗装にて形成される膜厚はワンコートで最大で150μm、最小だと30μm程度になります。

これは1回の溶剤塗装により形成される塗膜の厚さが約10~20μmであることを考えると1回の粉体塗装によって十分高い耐久力を持った塗膜を形成できるということです。

更に粉体塗装では粉体をワークに吹き付けた後、高温で焼成することで塗膜が形成されますが、この高温での焼付により樹脂が融解しその後硬化することで、塗膜の強度が非常に高くなります。

また耐久力の高さは形成される塗膜の厚さだけでなく、塗膜が柔軟性を有していることももう1つの理由と言うことができます。

これにより、屋外のような環境下に置かれた際にワークが伸縮を起こしても、ヒビや剥がれたりを防ぐことができます。

溶剤塗装では伸縮しないためにひび割れや剥がれが発生してしまいますので、厳しい環境下では耐候性や耐久性を持つ粉体塗装が適しています。

高い防錆性(防食性)

粉体塗装はもともと「錆止め塗料」として普及した歴史を持つくらい錆に強いのですが、これは粉体塗装された被塗物が空気に触れにくいからです。

粉体塗装は塗装ムラが生じにくく、1回の塗装で厚膜を確保して塗装できるので「ピンホール」と呼ばれる塗布面に生じる小さい穴やエッジ部の塗装が薄い箇所の発生を抑えることができます。そのため粉体塗装においては、空気に触れにくい状態で塗装を仕上げることが可能になるのです。

以上のように、耐久性の高さと塗装ムラが生じにくいことが、粉体塗装のもつ高い防錆性を生み出しているのです。

塗料の回収・再利用が可能なため、コストパフォーマンスが高い

粉体塗装では、塗装時に塗装対象物に付着しなかった塗料を回収して再利用することが可能です。

粉体塗料は、溶剤塗料の有機溶剤や水性塗料の水のような揮発成分を含まないため、熱影響を受けなければ、変質することはほとんどありません。そのため、静電粉体塗装で噴射した塗料も、流動浸漬塗装法で流動させた塗料も回収すれば、再度使用することができます。

その点、溶剤塗料や水性塗料は、溶媒が揮発すると塗料が変質してしまうことがあり、多くの場合、変質してしまった塗料は再度使用することはできません。しかし、塗料を調整して揮発性を低下させても、乾燥して硬化するまでの時間が長くなり、作業性が下がってしまいます。

粉体塗装(パウダーコーティング)のメリットまとめ

塗装皮膜について

塗膜の強度が高い

・塗膜の耐久性が高い

・塗膜の性能が優れる

・厚い塗膜の形成が可能

・錆が発生しにくい

コーティング方法について

・一度の塗装で厚い塗膜を形成可能

・塗料の回収・再利用が可能

・塗装環境(温度・湿度など)の影響を受けにくい

・塗料の焼付処理が短時間で済む

・塗装の機械化・自動化が容易

粉体塗料について

・塗料に有機溶剤(VOC)を含有しない

・臭気がない

経済性について

・塗料を無駄なく使用できる

・耐用年数が長い(15~20年)

安全性について

・VOCによる大気汚染や健康被害については考慮不要

・VOCによる火災の発生リスクがない

粉体塗装(パウダーコーティング)の用途

主な用途はエクステリア関連やフェンスにガードレール、自動車のホイールやバイクのフレーム等に使われ、近年ですとアウトドアブームによりキャンプ用品の防錆目的や美しく様々なパターンの外観を求め多くのご依頼を承っております。

パウダーコーティング(粉体塗装)のデメリットは上記リンク先にて詳細をご確認ください。

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